外国為替証拠金詐欺

悪質業者には、消費者に投資の知識があろうがなかろうがおかまいなしに、簡単に儲かるかのような話をして複雑な仕組みの金融商品を売りつけます。
「外国為替証拠金取引」でも、仕組みを理解しないまま大金を預けてしまい、大損したという相談者が高齢者を中心に後を絶ちません。

「外国為替証拠金取引」は、日々刻々と変わる外国為替(円・ドル・ユーロなど)を使った商品です。
業者によって、「通貨証拠金取引」「外国為替保証金取引」「FX」など、呼び名はさまざまです。

外国為替取引とは、例えば1ドル100円のときに円を売ってドルを買い、1ドル120円になったときにドルを売ればその差益20円が儲けになり、1ドルが80円になれば20円の損となるのが基本です。
しかし、外国為替証拠金取引は、取扱業者に一定の委託証拠金を預け、その10倍額(業者によって異なる)の外貨取引ができるようになっています。
ですから大きな利益が期待できる反面、損失も大きくなる恐れがある金融商品といえます。

最近では「FXでこんなに設けた」などのタイトルやコピーが躍る書籍や雑誌記事も見られます。
取引の仕組みや運用方法、業者の選び方、リスクを抑えるテクニックなどを身につければ、外国為替証拠金取引は魅力的な投資商品になるとされますが、為替がどう動くかは、金融に詳しいプロでも答えることはできません。
ましてや一般の人には、理解するのは難しいのではないでしょうか。
金利が決まっている預金などは全く別の、きわめてリスクの高い金融商品です。

有利な話ばかりする悪質業者が参入

外国為替証拠金取引は、1998年4月の外為法改正を機に取り扱われ始めたものです。
日本国内の低金利が続くなか、知識・経験がある個人投資家を中心に資産運用法の一つとして注目されてきました。

外国為替証拠金取引は仕組みを理解して自己責任のもと、インターネットなどで直接自分で売買するなら、問題ないかもしれません。
しかし、金銭トラブル解決センターには、「業者に勧誘された」とか、「仕組みもわからないまま取引をしてしまった結果、大損した」という相談がたくさん寄せられているのが実情です。
悪質業者のなかには個客からお金を預かるだけで、実際には外貨の取引をしていなかったケースもあるのです。

こうした外国為替証拠金取引に関しての相談は2005年度に約3000件とピークとなり、その後は減少してはいるものの、いまだに多くの相談が寄せられています。
なかでも高齢者からの相談には、営業員の甘いセールストークを信じて、お金を預けたが、元本の大半を失ってしまったというケースも珍しくありません。

事例①

電話勧誘があり、為替取引などは初めてだったが、有利なことばかり説明され、120万円を支払い契約をした。
実際は損出が出たので解約を申し出たが、元本の約半分になってしまった清算金の返金日は2カ月先である。
それまで待ってていいのか不安である。
千葉県 70代 女性)

事例②

数度の勧誘を受け、「政府も認可している、弁護士も取引の優位性をほめている」などの説明を信用して300万円の証拠金を預けた。
利益が出ていたにもかかわらず、注文の指示を出していないのに勝手に売買されて、マイナスの計算書が送られてきた。
和歌山県 50代 男性)

通常の取引でも大損することがある商品、ましてや悪質業者相手では

いずれも外国為替証拠金取引の知識がほとんどない人が、預金などより有利だという話を鵜呑みにして契約し、トラブルになっています。
外国為替証拠金取引は証券会社をはじめさまざまな会社が取り扱っていますが、金銭トラブル解決センターに寄せられる相談は、訪問販売や電話勧誘に重点を置く業者に関するものが多くなっています。
執拗な勧誘や意図的にリスクを隠すなど、業者の悪質な行為が問題なのは言うまでもありません。

しかし、その悪質行為が消費者の、「無知」に乗じてなされることを重々心にとめておくべきです。
まずは外国為替証拠金取引という取引がいかにリスクをはらんでいるものか。それだけは知っておきましょう。

外国為替証拠金取引は、取扱業者に一定の委託証拠金を預けて、信用を供与してもらうことで少額な資金で多額な外貨取引ができます。
相場の変動により、取引継続中に計算上のマイナスが生じて、必要証拠金の一定の割合(50%が多いが、業者によってことなる)を割り込んだ場合、その取引を終了させるか、さらに取引の維持をするかを迫られることになります。
維持する場合は、追証(追加証拠金)を新たに預けなくてはなりません。

また、相場が急騰など一方向に大きく動いた場合は、投資家の損失を抑えるために自動ロスカット(損失確定)を行う取扱業者もあります。
取扱業者のシステムにもよりますが、委託証拠金の全損、さらにはそれを超える損失を被る可能性もあります。

このように、外国為替証拠金取引は非常にハイリスクの金融商品であることを理解しておきましょう。
その上、悪質とまでいえなくても、強引な業者が多数参入しているようですから、経済や金融、国際情勢の動向に明るくない人は、手を出さず、はっきり断りましょう。

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